中学校
森林体験学習
西粟倉中学校では、ESD(Education for Sustainable Development)の視点を踏まえ、全学年合同で年に1度、森林体験学習を実施しています。40名の全校生徒たちが、1年目に植林、2年目に手入れ、3年目に加工という3つのサイクルで学習し、村の林業の成り立ちを体感します。
何をしているところか
西粟倉には林業と言っても木材加工会社も多く、海外への輸出や付加価値をつけて商品を販売し収益を生み出しています。木を育て、ただ販売するだけでは収益は生まれません。公園整備のプロジェクトでは、公園に設置するベンチを製作しました。山での作業に入る前に、役場の方から村の施作を聞き、企業の方から木材加工に対する知識も得た上で、ベンチ製作に取り組みました。
想い・大切にしていること
幼小中12年の一貫教育が西粟倉への愛着や誇りを培い、自立した子どもたちを育くむことの一助になればと考えています。生徒たちは学校教育、学校や村の施設を通じ、西粟倉村へのありがたみを肌で感じているのではないかと思います。故郷について聞かれた時に、胸を張って故郷を語れる人であってほしいです。進学のために村を離れても、村に帰れば気の休まる場所がある事を、子どもたちの心に刻みたいと思います。
子どもたちの様子
幼稚園で原生林での沢登りや寺巡りを、小学校では「ふるさと元気学習」で村の林業や文化を学びます。幼い頃からグループワークや少人数での話し合いを積み重ねたことで、中学校でのディベートでは、会話が弾み、授業や学級活動でリーダーシップを発揮しています。自分の意見を話すだけでなく相手の意見も尊重しようとする姿勢が見られます。コロナ禍での休校時も、他の学年の生徒達と一緒に学び遊ぶ卒業生の姿がありました。仲間との関係が自然に構築できていると感じています。
今後どうしていきたいか
持続可能な取り組みが認められ、西粟倉村は一昨年「SDGsの未来都市」に認定されました。それを受けて中学校ではSDGsに取り組んでいます。村の施設や教育活動がどのSDGsに当てはまるかを考え、SDGsに関連付けた授業を直接行っている教科もあります。生徒会本部が中心になり西粟倉中学校版のSDGs目標も作成しました。SDGsを通して様々な形で啓発活動に寄与していきたいと思います。
保護者の方との連携
保護者の方々は、各行事や取り組みに、積極的かつ好意的に参加してくださいます。学校と連携して子ども達を育てようと協力的です。学校で取り組んでいるSDGs活動についても理解し、各家庭や職場などそれぞれの場所で活動にご参加いただいています。
移住希望者へのメッセージ
もともと西粟倉村は街道沿いにあり、他地域の人を受け入れやすい雰囲気があると思います。共に生きていこうという考え方、他者の思いや文化を受け入れる土地柄です。地元の人は優しく、人口が少ないゆえ、細かな支援が行き届きやすい環境にあります。学校や教育の手厚い支援がある反面、日々の生活については車がないと買い物で不便をするなど厳しい一面もありますが、それを超える村の良さと宝があります。