【Nest】春の道を馬で登校〈開催報告〉
2022.04.28
昨年の秋ごろにお馬さんが大好きな子どもから「馬に乗って登校してみたい!」という夢を聞きました。自分でも校長先生に訊いてみるなど動いてくれたその子の夢をなんとか実現できないかと、認定NPO法人ハーモニィカレッジさんにご相談してみたところ、快く引き受けていただきました。
そして、来る4月16日、快晴のなかお馬さんたちは小学生の自宅を出発!気持ちいい春の道を姉妹と一緒にゆっくりと登校していました。満面の笑みで学校に現れた小学生の子の表情をみて、実現できてよかったと感じています。大人がすべてお膳立てするわけではなく、自分で動いた結果実現できたことをきっかけに、さらに「やりたいこと」を叶えていけるようになっていってほしいと思います。
小学生を自宅から小学校まで運んできたお馬さんたちと、今度は「あわくらみらいアカデミー」でコミュニケーションをとっていきます。言葉が通じないポニーたちと、さてどうやってコミュニケーションをとればいいか。
まずはあいさつの仕方から考えていきます。仲良くなりたい!からといってわーっといって近づいても、馬は草食動物。びっくりしてしまいます。そーっと近づいて、ゆっくりと手を馬の鼻によせてにおいをかいでもらうことからスタート。安心してもらったら、なでたりしながら「大丈夫だよ」「安心してね」という心を伝えていきます。馬の気持ちは「耳」に現れるということも発見しました。また、馬と人との違いについても、認定NPO法人ハーモニィカレッジのスタッフの方と一緒に考えました。
続いて、引き馬に挑戦。手綱を引きながら自分の横を歩いてもらい、「だ~る~ま~さ~ん~がころんだ!」のタイミングで止まってもらうことにチャレンジしました。タイミングがずれてしまったり、「ころんだ!」のあとにちょっと動いてしまったりする場面もありましたが、ほとんどの子が伴走することができていました。ことばを発しないポニーたちとのコミュニケーションは非認知能力と呼ばれる領域がかかわってきます。動作、状況を観察しながら「言外のことば」を探していきます。
「コミュニケーションをとるのは人とですら難しいのに、馬と取るのも難しかった」「むずかしかったけど、楽しかった」という感想も出ていました。馬とふれあって楽しい!という中にもちょっとした気づきや知らなかったことを知るということが詰まっているようでした。文字情報があふれる現代のなかで、「ことばにならないことば」を大切にくみ取ることがなんとなくでも気づいてもらえたなら、嬉しく思います。
※イベントは、授業のない土曜日に行ないました。